昔からカキ氷が大好き。というか氷が好き。
実家でもよく製氷機から氷出して、口に入れてた。
(鉄分がたりてない証拠らしい・・・?)
韓国ソウルで暮らし始めて、約3年が経とうとしている。
夏が来ると、どこのカフェもこぞってパッピンス(韓国風カキ氷)の販売を始める。
最近は昔に比べるとずいぶんビジュアルも派手になって、
フルーツがふんだんに乗ってたり、見た目も華やか。
わたしは昔から一人行動が好きで、たいていの場所で“おひとり様”ができる。
焼肉も、高級お寿司も一人で行く。
でもね、パッピンスだけは誰かと食べたいんだ。
っていうか食べきれないんだ、一人では。すぐお腹壊すし。
韓国に根付く“우리(ウリ)”文化
韓国では、“ウリ=わたしたち” という言葉をしょっちゅう聞く。嫌というほど聞く。
たとえば、わたしの友達・わたしの家・わたしのお母さんですら、
“わたしたちの”という言い方をする。
これは昔から根付く韓国の集団意識などに由来するみたいだけど、
韓国特有の概念なので最初は慣れなかった。
もともと集団に苦手意識のある私にとっては、随分むずがゆく聞こえる表現でもある。
韓国人は、自国を「韓国」とは呼ばない。
“우리 나라” =わたしのたちの国という言い方をする。
“わたしたちの国”以外から来た外国人の立場としては、
多少の疎外感を感じたこともあった。
韓国人は「共有」が好き?
はじめて韓国に旅行で訪れた際、
体の大きい男性3人が1つのパッピンスをつついている姿に衝撃を受けた。
なんだがとても不思議な光景に見えた。
「韓国は世界一ひとりでの外食がしにくい国」という書き込みを見たことがある。
たしかに韓国は、食べ物をシェアする習慣が日本より圧倒的に根付いている。
カフェに2人で訪れ、コーヒー1つ・ケーキ1つ頼んでシェアするという光景は一般的。
なんかめっちゃ小さいクッキーとか分けにくいサンドイッチとかも、一口くれる。
あんまり仲良くなくても、とりあえずくれる。
それくらい、“誰かと分けて食べる”ことが普通の感覚である。
日本では、「鍋を誰かと一緒につつくのはキツい!」みたいな話がよくあるけど、
韓国ではあまり耳にしない。
なにかあればすぐに電話をかけて話したり、メッセージのやり取りもマメ。
「そういえば、1ヶ月前にこういうことがあったんだよね」と友達に切り出すと、
「なんでもっと早く教えてくれなかったの〜」と、多少残念がられる。
韓国人は、“誰かと共有する”ことがとても好きなのかもしれない。
若い世代は“혼밥(ホンパp)”派
それでもここ数年、韓国でも“おひとり様”はかなり広がっている。
“혼자 먹는 밥(ひとりで食べるご飯)”を略した”혼밥(ホンパp)“
”혼자 먹는 술(ひとりで飲むお酒)“を略した”혼술(ホンスr)”
こんな流行語も生まれるくらい、ひとりでも入りやすい飲食店などが増えている。
なんでも皆で共有する“ウリ”文化にストレスを感じる若い層が増えたこと、
または結婚しない人や一人暮らしを選ぶ人が増えて、
自ずとひとりで食事するタイミングが増えたことなどが要因だそう。
韓国では食べ物のペダル(デリバリー)がめちゃくちゃ発展していて
一人前から注文できるお店も増えた分、ひとり暮らし世帯としてはずいぶん楽。
ユッケもお刺身も、ちなみにパッピンスも持ってきてもらえるのって結構すごくない?
ちなみに結婚しない人が増えた背景には、
最近韓国でヒートアップしている「男女間の葛藤」が関係している。
これがまた厄介。後日、別の記事にまとめてみたい。
まとめ
それでも私は、心を許した人としか食べ物をシェアしたくない。
特にパッピンスは、誰とでもシェアできるものではない。もっと美しくて繊細だ。
そう考えると、私はやっぱり“우리나라 사람”になることはできないのかもしれない。
今年も、パッピンスを食べる機会に恵まれないまま夏が終わろうとしている。